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環境&対象
- macOS15.0.1 Sequoia
- Xcode 16.1 Beta
- iOS 18.1
- Swift 5.9
AboutWindow
macOS でのアプリで、ツールバー上のアプリ名のメニューの直下にある “あれ” です。
Xcode には、以下のようなメニューがあります。
選択すると以下のようなウインドウが表示され、アプリケーション名やバージョン番号等の情報が表示されます。
SwiftUIアプリでのデフォルト
macOS 向けアプリを SwiftUI を使用して作成すると、メニューは自動で作成され、以下のようなウィンドウも表示されます。
おそらく、AppIcon のデータと、バージョン番号/ ビルド番号を取得して表示しているものと思われます。
独自の AboutWindow
WWDC24 のビデオをみると、簡単に独自の AboutWindow を表示できそうだったので、調べて見ました。
ですが、別にショートカットが用意されているわけではありませんでした・・・orz
大きく分けると2つのステップに別れます。
・”About My App” メニューの置き換え
・”About My App” ウィンドウの設定
“About My App” メニューの置き換え
SwiftUI2024 で追加されたあたらしい .commandsReplaced を使用して置き換えます。
[SwiftUI] commands Modifier @SwiftUI(2024)
WWDC24 のビデオを見ていた時には、Window の id 指定で “About Window” を置き換えられるかと想像したのですが、違いました。
コツコツ(?) と置き換える必要がありました・・・
以下のように、commandsReplaced を使用して .appInfo を置き換えることで、 “About <アプリ名>” のメニューを置き換えることができます。
import SwiftUI
@main
struct AboutWindowApp: App {
var body: some Scene {
WindowGroup {
ContentView()
}
.commandsReplaced(content: {
CommandGroup(replacing: .appInfo, addition: {
Button(action: {
// show my own window for about window
}, label: { Text("About My App") })
})
})
}
}
CommandGroup 中の Button の label で指定したものが、メニューに表示されますので、特に “About My App” という表示でなくとも技術的には問題ありません。
# ただし、AppStore で Review されるときにどのように扱われるかは分かりません。
“About My App” ウィンドウの設定
メニューを置き換えることができましたので、ウィンドウを定義して、表示できるようにしていきます。
ウィンドウ定義
まずは、ウィンドウを定義します。
アプリに新しいウィンドウを定義するには、Window を使います。
参考
WindowApple Developer Documentation
以下のように App の body 内に追記することで、アプリのウィンドウを追加できます。
import SwiftUI
@main
struct AboutWindowApp: App {
var body: some Scene {
WindowGroup {
ContentView()
}
.commandsReplaced(content: {
CommandGroup(replacing: .appInfo, addition: {
Button(action: {
}, label: { Text("About My App") })
})
})
Window("About MyApp", id: "about", content: {
// AboutWindow content
})
}
}
ドキュメントを確認すると分かりますが、第1引数は ウィンドウタイトル、第2引数はウィンドウID、第3引数は ウィンドウ表示要素 です。
こちらのビデオでお勧めしている ViewModifier 等も指定して以下のようにしました。
import SwiftUI
@main
struct AboutWindowApp: App {
var body: some Scene {
WindowGroup {
ContentView()
}
.commandsReplaced(content: {
CommandGroup(replacing: .appInfo, addition: {
Button(action: {
}, label: { Text("About My App") })
})
})
Window("About MyApp", id: "about", content: {
VStack {
Image(systemName: "function").resizable().scaledToFit().frame(width: 100, height: 100)
Text("My App").font(.largeTitle).bold()
Text("Version ♾️ (♾️)")
}
.padding(32)
.toolbar(removing: .title)
.toolbarBackground(.hidden, for: .windowToolbar)
.containerBackground(.thickMaterial, for: .window)
.windowMinimizeBehavior(.disabled)
})
.windowResizability(.contentSize)
.restorationBehavior(.disabled)
}
}
それぞれの ViewModifier の意味は、上記のビデオで確認してください。
ウィンドウを開く
先ほど定義したウィンドウを 最初に定義したメニューに紐づけて、開くことができるようにします。
具体的にはメニューで設定した Button の action を使って開くようにします。
SwiftUI では ウィンドウを開くために、OpenWindowAction が用意されています。
参考
OpenWindowActionApple Developer Documentation
そしてその OpenWindowAction は Environment として 使用できるようになっています。
参考
openWindowApple Developer Documentation
ということで、その openWindow を Button の action から使用すると 該当IDを持つウィンドウを開くことができます。
import SwiftUI
@main
struct AboutWindowApp: App {
@Environment(\.openWindow) var openWindow
var body: some Scene {
WindowGroup {
ContentView()
}
.commandsReplaced(content: {
CommandGroup(replacing: .appInfo, addition: {
Button(action: {
openWindow(id: "about")
}, label: { Text("About My App") })
})
})
Window("About MyApp", id: "about", content: {
VStack {
Image(systemName: "function").resizable().scaledToFit().frame(width: 100, height: 100)
Text("My App").font(.largeTitle).bold()
Text("Version ♾️ (♾️)")
}
.padding(32)
.toolbar(removing: .title)
.toolbarBackground(.hidden, for: .windowToolbar)
.containerBackground(.thickMaterial, for: .window)
.windowMinimizeBehavior(.disabled)
})
.windowResizability(.contentSize)
.restorationBehavior(.disabled)
}
}
以下のような挙動になります。
AboutWindow として表示されている ウィンドウは、普通(?) のSwiftUI のビューですので、ここ以降のカスタマイズは SwiftUI で普通にできます。
まとめ
About Window のカスタマイズ方法を確認しました。
- commandsReplaced と CommandGroup(replacing:) を使って置き換える
- 置き換えるのは、.appInfo
- ウィンドウをプログラム的に開くのは、Environment の openWindow を使用する
説明は以上です。
不明な点やおかしな点ありましたら、こちらまで。
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SwiftUI ViewMatery
SwiftUI で開発していくときに、ViewやLayoutのための適切なmodifierを探すのが大変です。
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